Friday, June 24, 2005

月魚

もう少しで、三浦しをんの「月魚」を読み終えてしまいます。

今日の大半はこの本のことを考え、余韻にひたりつつ仕事をしていました。
ぼんやりしていたせいか、2度も椅子に体当たりしてしまいました。

友達から勧められた舞城王太郎の「阿修羅ガール」を読み終えて、「煙か土か食い物」を読んだ時もそうだったけれど、頭がいかれてしまった私には、中和剤が必要でした。
「夏はやっぱり金魚かな・・・」と、いかにも癒してくれそうな表紙の「月魚」を手に取り、裏のあらすじを読んでみたら、なんだか知ってるストーリー。
「何でだ?」と思った瞬間、思い出しました。
「おっ。これは、私の大好きな小川たまきさんのお勧めしていた本では?」

軽い気持ちで読み始めたら、はまってしまいました。三浦しをん。
若いのに、いい。若いから、いいのか?
懐かしい、夏の匂いがします。記憶の片隅にある、ノスタルジックな日本の初夏。
「talk to her」を観た時も感じたような、静かで大きいものがそこにはあります。
決して派手なストーリーではないのに、惹かれてしまう。
自分でも、何で目頭が熱くなるのか分からないけれど、体が反応してしまうんです。
必死に涙をこらえつつ読み続けました。
そこに溢れているのは、「日本人でよかった」と思うような言葉達。
繊細で、せつなくて、言葉によって満たされていく感覚。
「幸せだな」とふと思った今日この頃です。

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