呼吸
仕事の関係でロバート山田さんの一人芝居のチケットもらったのでマミタンと前職の友達ヤマギータと一緒に見てきました。
谷川俊太郎の詩を混ぜながらの一人芝居。
前半は芝居、後半はうたなんだけども、私は断然芝居に夢中です。ちょっとした呼吸で雰囲気ががらっと変わっていくのがおもしろいのです。効果音とか、光もそう。本当に本当に些細なことの積み重ねによって舞台って成り立っているんですね。すごいなあ。
そして、谷川俊太郎。私は言葉にうとくて詩ってなんだか遠い存在だったけど、興味が沸いてきました。言葉っていうのは自分が思う以上のものを持っている気がします。うーん、うまく言えませんが、とてもロマンティックです。
「きみに」 谷川俊太郎
本当のこと言うと口紅は
ふきとっちゃったほうがぼくは好きだな
まぶたの上のその青っぽいやつもね
きみが見ているきみはいつも鏡の中のきみ
自分を見ている自分の顔だ
だが本当の君は鏡の外にいる
そのきみのうしろを川が流れる
そのきみの頬の光が動く
そのきみを僕がみつめている
きみがきみであるってことは
何て言えばいいのか筆舌につくし難いのさ
他にくらべるものがないからだろうか
電車の中で僕の前に坐ったきみ
定期をにぎった鼻ぺちゃんきみ
スモックのボタンがとれかけているよ
きみをきれいだと言えば
ぼくは偽善者ってことになるんだろうか
だが醜いって言えば何になれるっていうんだ
きみが裸のマハよりも美しい瞬間を
ぼくはいくらでも空想することができる
ゴヤにはわるいけどね
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