Wednesday, July 20, 2005

吸収

昨日から、急に仕事が忙しい。猫の手も借りたい忙しさ。
でも、今日は無理やり区切りをつけて、早退ざます。

いざ、川口へ。
生まれてこの方、こんなに川口へ通ったことはありません。
バスに乗って15分。三度目の映画祭通い。

今日は、「北欧短編②」を観てきました。
①の時より、濃い品揃え。

最初のデンマーク映画は、写真としゃべりで監督のルーツを描いた作品。
うむむ。眠気に勝てず、記憶なし。

二つ目はアイスランドのわずか6分のこれぞ短編といった映画。
タバコを買いに家を出たら、財布が落ちているのを発見。ちょっとした犯罪心から、中のお金だけぬいて、財布は同じところにポイしてしまう。でも、すぐに乳母車を押した赤い髪の女性が横を通り過ぎる。「あ!財布の中にあった写真の人だ!」ってことで、もともと心優しき主人公は、さっさっさっ、と彼女の目の前に行き、何も言わずにお金を差し出す。一度は盗人心に囚われた彼の、その正しい行動に観客一同、「えらい!」と褒めたのもつかの間、また別の赤い髪の女性が財布を探しに登場してしまう、という映画。たった6分の中に、ものすごい葛藤を見ることができます。おもしろいなあ、短編映画。

2年程前に観に行った短編映画でも、とても記憶に残っている映画があります。
品が良くて、世間知らずな感じのおばあちゃんの映画。
空港のレストランで、ご飯を食べるのですが、少しの間席をはずした隙に、いかにもホームレスの男がおばあちゃんの席に座って、ご飯を食べています。「ああ、私のごはんが・・・」。直接その男に抗議はしないものの、じ~っと男の目の前に座って、必死の抗議の眼差しで男の食べる姿を見つめるおばあちゃん。二人の沈黙の演技がとてもおかしいのですが、結局、実は間違えで、おばあちゃんの席は一つ向こう側。
ホームレスらしき男の食べていたものと同じものが、ちゃんと席にはありました。チャンチャン。という映画。
言葉などなくても、動きと間と表情で、十分に物語ってできてしまうものですね。勉強になります。

三つ目はフィンランド。モーリス・ラベルのオペラをベースにした物語。悪いことばかりしてしまう子供の見る、ファンタジーの世界。猫やら、リスやら、トンボやら。いろんなものが歌って踊ります。
いつだったか、フランス映画で、こんな感じの「赤頭巾ちゃん」を見たことがあるな・・・。でも、これはそこまでかわいくこじゃれた感じではなく、どちらかというと、梅図かずおに近いですね。妖怪大戦争でしたっけ?今度の英語劇に使えそう。

四つ目はスウェーデン。私が一番観たくないジャンルの映画。戦争映画。
兵士の流す血の水溜りに、子供の頃の記憶が映し出されます。瞳に映る、我が子との思い出。自転車に乗った時の記憶。一人一人の命の重さ。殺さなければ殺されてしまう、戦争のルール。
「もし、私の大切な人が、そんな状況にいたら」と、思うと、本当に胸が張り裂けそうになります。でも、戦争は現実にあるものだから、せめて映画を観ている間だけでも、目をそらさずにいようと思います。

は~、さすがにくたびれた。でも、頭はクリア。
最近あまり、ぼけーっとしてないけど、今みたいに回転しているのも大好きです。
今は吸収の時。

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